[蔵元] 高良酒造
[蔵元住所] 鹿児島県川辺郡川辺町宮
[焼酎の種類] 芋焼酎
[原材料] さつま芋(黄金千貫)・米麹
[麹] 白麹
[蒸留方法] 常圧蒸留
[アルコール度数] 25度
[容量] 1,800ml
[購入価格] 1,850円
[詰口年月日] 2006年10月31日
[香り] ★★★★★ 柔らかく甘い芋の香り
[口当たり] ★★★★★ まろやかでやさしい口当たり
[味の広がり] ★★★★★ 香ばしい風味が広がる
[後味] ★★★★★ 芋の風味が余韻として残る
[総合評価] ★★★★★
[飲み方] ロックもお湯割りも甲乙つけがたい
鹿児島県川辺郡川辺町は、仏壇の町といわれ仏壇製造で有名な町だそうです。そして町名の文字からわかるように、町の中には、あちらこちらで清らかな流れに出会うことができるそうです。夢酎の頭には清らかな小川の流れと長閑な緑の田園風景が浮かんでいるのですが、どうでしょう...
川辺町には酒造場が二つあるそうです。ひとつは「八幡」や「田倉」を造る高良酒造さんともうひとつは「さつま寿」を造る尾込商店さんです。どちらも夢酎が好きな焼酎を造っておられる蔵ですね。
この二つの酒造場の焼酎は、古くから町民に広く愛飲されており、川辺での酒席では必ずどちらかの焼酎が並んでいるのだとか...川辺に住みたいなぁ...
こんないい焼酎が出来るのはきっといい水があるせいなんでしょうね。
「八幡」は高良酒造さんのレギュラー焼酎ですが、すべてがかめ仕込みです。
蔵の訪問記がネットでいくつか紹介されていますが、蔵の写真を拝見すると蔵の中には、一面に甕が埋められています。
楕円をした丸い甕によって発酵時にもろみの温度が上がって起こる対流が底や隅々までゆきわたり、まろやかな味わいになります。また、甕には小さな無数の穴があり、これが呼吸し、焼酎に複雑な変化をもたらせ、深みのある味わいを持たせるそうです。
そして、蔵のちょうど裏手にある飯倉山から何百年も前からこんこんと湧き出る清水を割り水や仕込み水に使用されているそうで、地元の農家の人たちから提供される新鮮なさつま芋とにより美味しい焼酎が出来上がっているんですね。
ラベルに描かれているのは高良酒造の近くにある川辺町宮の飯倉神社で、神々しい雰囲気と大楠がシンボルとなっているそうです。このシンプルでいてなんとなく温かみのあるラベルに、昔ながらの伝統をしっかりと守りながら焼酎を造り続ける高良酒造の姿勢が感じられるようで、とても好感が持てます。
生で飲んでみるとまろやで味わい深いがややピリピリ感が舌に残るような感じがします。これをさらに割り水をして一晩置くと、水に良く馴染み滑らかな味わいとなります。
ロックは甘さも香ばしさもやや抑え気味な感じでしょうか。 ややスッキリとした甘さの中にやや辛口な風味が混じっていました。この辛口な風味は渋みと行ってもいいのかもしれませんが、甘味と渋みが渾然一体となり、奥行きのある風味となり、これにプラスして香ばしさがあります。
芋の香りが長く持続し 何度飲んでもあきの来ない焼酎ですね。
お湯割りにすると、芋焼酎独特の甘味が引き立つようで、ふくよかな味わいが楽しめます。
グラスを口の近くに持ってくると、濃厚な甘〜い香りが...おお〜!!
口に含むと、一瞬辛口かと思ったのですが、口の中いっぱいにじわ〜っと甘さが広がってきました。そしてなにより、焦げ臭いといっていいほどの香ばしさが口の中に広がります。
八幡のお湯割りは魔性の焼酎だとおっしゃる方が多いのですが、「芋焼酎はお湯割り!」という伝統的な飲み方が「なるほど」と納得させられる逸品だと思います。
ロックと燗での香ばしさは異質のものです。ロックの時はどちらかというと甘い香ばしさなのですが、燗した場合の香ばしさはどちらかというと焼き芋の焦げた皮を口に含んだ時に感じる焦げたような香ばしさです。
高良酒造さんの焼酎には、「八幡」のほかに「田倉」という銘柄があります。「田倉」の方は「八幡」に比べると洗練された都会的な風味があります。どちらも美味しいですね。
「八幡」には、レギュラーの25度のほかに「35度」と無濾過の「ろかせず」があります。黒麹で仕込んだ古酒「古八幡」もありますね。レギュラーのほうも入手が難しいですが、みな入手困難な焼酎です。