[蔵元] 黒木本店
[蔵元住所] 高鍋町大字北高鍋
[焼酎の種類] 麦焼酎
[原材料] 大麦(二条大麦)・麦麹
[麹] 白麹
[蒸留方法] 常圧蒸留
[アルコール度数] 40度
[容量] 720ml
[購入価格] 頂きもの 定価は2,900円くらい
[詰口年月日] 2004年3月2日
[香り] ★★★★★ ウィスキーのような芳醇でさわやかな香り
[口当たり] ★★★★★ 麦の甘味だけを取り出したようなまろやかな風味で、アルコールの刺激がほとんどない
[味の広がり] ★★★★★ 非常にすっきりとして滑らかな甘味が舌の上をころがる
[後味] ★★★★★ すっきりとしてあとが残らない
[総合評価] ★★★★★
[飲み方] ロックがおすすめ
「百年の孤独」は、日本酒との比較ではなく、世界の蒸留酒と同じ様に飲んでもらえる焼酎というコンセプトで造られた高アルコール・長期熟成の本格焼酎で、昭和60年から発売になりました。
麦焼酎では、プレミア度NO.1でしょう。定価での入手が困難でネットの通販では、1万円のくらいの値が付いています。
「百年の孤独」は、明治18年創業以来受け継がれてきた黒木本店さんの百余年の伝統技術により、手造りの麹と、厳選された大麦のみを原料とし、かめで仕込み、ホットスチルによる単式蒸留方式で造られています。
そしてその原酒を永い間、樫樽で静かにひっそりと眠り続けさせることによって、よりまろやかでより風味豊かな焼酎へと熟成させていきます。
それはまさに、伝統の技と永い時の流れが生み出した焼酎の傑作、黒木本店さんの名品だといえるでしょう。
「百年の孤独」をグラスに注ぐとほんのりとした琥珀色をしています。この琥珀色は、永い眠りの間に染み透った熟成によるものだそうです。自然でさわやかな透明感をもった琥珀色をしています。これは、余分な色素を風味を損なわない濾過で取り除くことにより出来上がったものだそうです。
なお、この「百年の孤独」という銘柄はガルシア・マルケスの小説から採られているそうです。この小説は、読んだことがありませんが、長い間、樫樽で静かにひっそりと眠り続け、世に出るのを待つこの焼酎の名前としてはピッタリの名前ですね。
「百年の孤独」の瓶は、包装紙に包まれ、コルクのラベルが貼られていて、とても焼酎のボトルとは思えない、洋酒のような雰囲気が漂っています。
工場の一角に、商品にラベルを貼る作業スペースがあるそうで、そこで、すべて手作業で貼られているのだとか。
瓶の包装紙と箱のフタには、ジャズプレーヤーのエリック・ドルフィーの言葉が印刷されています。
When you hear music ,after it's over, it's gone in the air.
You can never capture it again.
英語が苦手な夢酎ですが、自分なりにこれを訳してみると
あなたが音楽を耳にしたとき
その音楽は、もう彼方に去ってしまい
その音楽を再び掴むことはできないだろう
これって昔、誰かから聞いた言葉なんですが、忘れてしまいました。調べてみたら、エリック・ドルフィーのアルバム「LAST DATE」の最後に、この言葉を話しているのが録音されているそうです。
今から20年以上の昔、京都で仕事をしていた夢酎は、昼休みにはいつも丸太町通から少し路地を入ったジャズ喫茶でジャズを聴きながらコーヒーを飲んでいました。その頃は、ジャズがどんな音楽かもわからず(今でもわかっていませんが)、でもジャズのリズムが心地よいなぁと感じながら流れてくるレコードの演奏を聴いていました。
きっとそのころ、エリック・ドルフィーの演奏も聴いていたんだろうと思います。ジャズが好きな先輩がいたから、その先輩からこの言葉を聞いたのだろうか....
ジャズはもともと即興音楽ですから、プレーヤーが演奏するときの気分によっていろいろ変えるんだといいます。「二度と同じ演奏を聴くことなんかないんだよ。だから、今を大切にして聴いてね。」そんな思いが込められた言葉なんでしょう。
「百年の孤独」も変化をしていくので、そのときそのときの「百年の孤独」のうまさを楽しみなさい、なんているメッセージがこめられているのでしょうか。
先ほども触れましたが、「百年の孤独」をグラスに注ぐとほんのりとした琥珀色をしています。まるでウィスキーかブランデーのような雰囲気です。
香りは、樫樽の移り香というか、ウィスキーやブランデーの香りそのもので、香りをかいで、これを焼酎だと言う人はまずいないでしょう。
ロックで飲みましたが、アルコールの濃度は40度なのですが、飲んでいてアルコールの濃さをまったく感じません。
口に含むと非常にまろやかで絹のような滑らかさのある口当たりです。決してトロリとしているわけではないのに、シロップを舌の上にのせたようにトロリとした滑らかさを舌に感じます。同時に樫樽による芳醇な香りと麦のわずかな甘さが口の中に広がっていきます。
飲んでいて幸せな気分になっていきます。
はじめの一口では、ウィスキーのような風味しか感じられませんが、飲み進めるうちに麦の風味がわずかに感じられ、あ〜っ、麦焼酎なんだと思いました。
それにしても、「兼八」や「特蒸泰明」のような麦の濃厚な風味が押し出している焼酎があるかと思えば、「百年の孤独」のような麦焼酎とは思えないような焼酎もあるんですね。
焼酎は奥が深いです。