今日は、焼酎ではなく日本酒のおはなしなのですが、調べていて面白かったので紹介したいと思います。
江戸時代、江戸の町には130万人の人口に対し、桶屋が1400件あったそうです。テレビの時代劇で江戸時代の町民の生活が描かれたりしているが、確かに桶屋という設定はよくあったように思うなぁ。江戸町民の生活用品のほとんどがこの桶でできていたわけですが、すごい数ですよね。
日本酒造りで使用される桶なんかも、なんと50種類もあったのだとか。本来、日本酒と桶というのは切っても切り離せない関係にあるんですね。
昔の酒蔵では酒造用具のほとんどは木製で、仕込みや貯蔵も木桶が当たり前だったようですね。それが、木桶はホーローや合成樹脂のタンクに取って代わられました。
その日本酒と桶の関係なんですが、世の中、木桶仕込による日本酒造りが復活しているそうです。
今の酒造りではタンクによる仕込が主流です。木桶には、水張り、洗浄、殺菌など、ホーロータンクとは比べ物にならないほどの手間がかかりますからねぇ。また、温度の管理なんかも大変なようです。
焼酎も同じで、甕による仕込が行われているところがあるものの、ホーロータンクで仕込んでいるところが多いようです。
今はタンク仕込に変わってしまった日本酒メーカーが、昔ながらの桶仕込みに再び着目し、桶仕込みにトライし始めているらしいのです。
そして、そのきっかけを作ったのが、長野県の蔵元「枡一市村酒造場」の金髪・青い目の蔵元さんとして各界から注目されている女性なんだそうですよ。
長野オリンピックのときに来日して、日本の伝統文化に魅了されたというセーラ・マリ・カミングスさんが、桶仕込みなんていまさら考えてもいなかった日本酒業界に訴えたのだとか。せっかくの優れた文化「桶仕込」を復活させるべきだと。
そして、いくつかの日本酒メーカーが、木桶仕込みにチャレンジするようになったのだとか、日本人が失いかけていた感性を取り戻してくれたわけですね。
彼女が言いだしっぺになって酒屋の旦那たちと始めたのが「
桶仕込み保存会」だそうです。
でも、木桶仕込みのチャレンジもなかなか大変だったようですよ。
蔵元に残っていれば、それを使うことができますが、ないところでは、持っているところから譲ってもらったり、新しくつくったりしたそうです。古い桶も修理が必要なものがあったんでしょうが、今、大きな桶を作れるような職人さんは、日本に数えるほどしかいないんだとか。需要がないわけですから職人さんがいないのも当然ですよね。
ところで、「木桶仕込み」というとすぐに思い浮かぶことが「木の香りがするお酒」ということですよね。樽酒飲むと気の香りがしますよね。この「桶」と「樽」の違いなのですが、「桶」は杉材でふたがなく大きいもの、「樽」は樫材でふたがあって小ぶりのものをいうそうです。
そして、酒に木の香りがつくのは、「樽」で熟成させるからで、日本酒の「木桶仕込み」は「発酵」時に「桶」を使用しているので木の香りがつかないんだそうです。これは、ワインなんかでも同じようです。
沢乃井という酒を造っている
小澤酒造さんのサイトに「
木桶仕込み」というページがあります。
樹齢300年の杉の木で桶を作るところから紹介されています。
ちなみに焼酎で木桶仕込みがあるのか調べてみると、仕込みはタンク以外では、甕による仕込みのものしか見つかりませんでしたが、木桶で作った昔ながらの蒸留機を使った木桶蒸留というのがありました。「百年の孤独」で有名な黒木本店さんの焼酎は、瓶仕込み木桶蒸留です。
こだわりの焼酎と呼ばれているものには、「甕仕込み、木桶蒸留、甕熟成」というのが多そうです。